フェレットの副腎腫瘍

背中の脱毛

フェレット 脱毛

頭部の脱毛

フェレット 脱毛

副腎の腫瘍

フェレット 副腎腫瘍

リュープリン注射

リュープリン
 フェレットの飼主さんに最も知られている病気の一つが副腎腫瘍をはじめとする副腎疾患です。フェレットさんでは非常に多発する病気です。

 典型的な症状として、尾を中心とする脱毛からはじまり、最終的には脱毛が全身的に広がります。
 感染症でない為、通常は痒みを伴いませんが、非常に強い痒みを訴える個体もいます。

 原因となるのは副腎と呼ばれる5~8㎜ほどの臓器で、左右に一つづつありますが、これが腫瘍化したり、異常に発達するとホルモンの異常により脱毛を中心とした異常が見られるようになります。

脱毛以外にもメスの場合は、陰部が大きくなったり、摘出した子宮の断端に腫瘤が出来たりすることがあります。オスでは、前立腺に肥大や前立腺周囲のう胞が形成され、排尿が困難になることもあります。
筋肉が減って体重が減少したり、貧血が起きることもあります。脾臓が異常に大きくなったり(脾腫)、すい臓の腫瘍(インスリノーマ)を併発することもあります。

 治療には内科療法と外科療法があります。どちらを選択するかは年齢や全身状態、飼主さんの希望によります。

 内科療法として一番効果と安全性が認められているものは、リュープロレリン(商品名:リュープリン)という成分の注射薬で、一ヶ月に一度、フェレットさんによっては生涯にわたって治療が必要になります。この治療の一番の問題点は、非常に高価な薬だということです。病院によって1回の注射代も数千円~数万円と幅があります。

 1回目の注射で発毛が見られる場合がりますが、即効性のあるお薬ではないため、発毛の効果は2回目の注射をしたころから認められることが多いです。

 外科療法では、異常を起こしている副腎を手術で摘出します。右の副腎は大静脈に接している為、完全摘出は非常に危険を伴いますので、両側に異常がある場合でも、左の副腎の摘出が行われるケースが多いです。

幸い、多くのケースでは左副腎に異常が認められます。通常は、手術後1~2ヶ月以内に脱毛や外陰部・前立腺の異常が改善していきます。
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インスリノーマ

インスリン濃度側定

インスリンの測定 インスリノーマ

ジアゾキサイド

ジアゾキサイド

高栄養食

フェレットの流動食
 当院に来院するフェレットさんの病気で副腎疾患の次に多く見られるのがインスリノーマといわれる膵臓(すいぞう)の腫瘍です。
この腫瘍によりインスリン(血糖値を下げるホルモン)が必要以上に分泌されると命に関わるような低血糖を起こします。3歳以上のフェレットに多いため、副腎疾患やリンパ腫などが併発しているケースもあります。

この病気の症状は主に低血糖によるものですが、一般に
ヨダレをたらす
吐き気をもよおす
後肢に力が入らない
体重が減ってくる
ぼーっとして活気が無い

また、極端な低血糖になると昏睡状態や痙攣を起こし死に至ります。

 空腹時の特徴的な症状(低血糖)、空腹時の血糖値(60mg/dl以下)とインスリン濃度(通常正常値より高い)からほぼ診断可能です。

治療には内科療法と手術による治療がありますが、原因が膵臓のガンであるため、残念なことに完治する病気ではありません。適切な治療によりいかに余生を快適に過ごせるかということが目的となります。

 内科療法には主に2種類のお薬を一日2回飲み続ける必要があります。一つはステロイド剤といわれるプレドニゾロンですが、幸い人間のように重い副作用は現れにくい動物です。このお薬で血糖値をコントロールできない場合はジアゾキサイドというお薬を併用します。このお薬の主な作用はインスリンの分泌を制限することにあります。
 残念なことにこのジアゾキサイドというお薬は日本国内では認可されていませんので、入手が困難であることと、費用は他のお薬と比べるとやや高額になります。

 外科手術は、膵臓の腫瘍を適出しますが、低血糖になりやすい状態であることや高齢であることから、必ずしも安全性の高い手術ではありません。しかし、手術後の平均生存期間は1年~1年半と内科療法の倍近く余生を伸ばすことができるようです。
 また、手術後に内科療法を併用した場合の平均生存期間は2年以上という研究結果もあります。

 日頃から低血糖を起こしやすい状態ですので、高蛋白のフェレットフードをこまめに与えるようにして、体調の管理をしてあげてください。
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フェレットの腸閉塞

バリウム検査

毛球症 フェレットのバリウム検査

摘出した毛球

摘出した毛球
 フェレットは好奇心旺盛な動物です。特に若いフェレットは、遊んでいるうちに異物(プラスチックやスポンジ、ゴム製品のおもちゃ)を飲みこむことがあります。また、2歳以上になると、胃の中に毛玉が貯まってくることがあります。みなさんが良く耳にする毛球症(もうきゅうしょう)です。

  典型的な消化器症状(嘔吐や食欲不振、下痢)を起こすこともあれば、全く吐かずに食欲不振や、なんとなく元気がなくなるだけのケースもあり、胃腸炎や他の内臓疾患との鑑別がつきにくいことがあります。
  動物病院では触診でお腹を触ったり、レントゲン検査などを行い、一般治療に対して改善が無いような場合、バリウムを飲ませての造影検査を行って診断をしていきます。

  自然に異物が便に出るケースや嘔吐で出てくるケースも全くないわけではありませんが、頻繁な嘔吐と食欲不振で小さな動物さんはあっという間に危険な状態になることもあります。

  バリウム検査で明らかな閉塞(胃腸からバリウムが流れなくなる)が確認できた場合、開腹手術で異物を摘出します。手術自体は犬猫で行われているものと大差ありませんが、小さな動物だけに普段以上に神経を使います。

  若いフェレットさんを部屋に出す時は、囓られたり食べられたりするようなものは絶対にそばに置かないようにしてください。 また、中高齢のフェレットさんの場合、自分で毛を排出することが難しくなってくる場合もありますので、頻繁なブラッシングと毛玉予防用のサプリメント(ラキサトーンやキャットラック)も上手に利用しましょう。
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フェレットの耳ダニ


耳ダニの感染

耳カイセン フェレット

耳ヒゼンダニ

フェレットの耳ダニ
 当院に初めていらしたフェレットさんは、必ずお耳のチェックをさせていただいております。
 当院のケースですが、約2~3割程度の割合で耳ダニが見つかります。ペットショップ購入の犬猫の場合、恐らく数百頭に1頭くらいしか見つかりませんので、フェレットではかなり蔓延しているといっていいでしょう。
 もちろん、ペットショップ購入後の個体ばかりでなく、今まで動物病院とあまり縁が無かった成獣でも同じような割合で見つかっています。
 
 症状は、犬猫の場合は狂ったように頭を振って痒がるケースが多いのですが、我慢強いのかフェレットさんの場合あまり気にしていないようです。
 フェレットの耳垢がもともと多く出る傾向があるため、飼い主さんも耳が汚れていても掃除だけであまり気づかないようです。


  治療ですが動物病院では耳ダニを確認した場合、スポットタイプの首筋に垂らすお薬を使用します。残念ながら、ワクチンも含めてフェレットさん専用の製剤は日本にはありませんが、犬猫で耳ダニ治療に認可が下りているお薬を使用しています。
 2週間間隔で2回投薬して、駆除率は90~100%ですが、時々しつこく駆除できていない場合もありますので、定期的に耳の観察が必要かと思います。
 
 多頭飼育されている場合、全員が感染しているといったケースも珍しくありません。ですので、新しいフェレットさんを迎い入れる場合には、動物病院で耳のチェックをされることを強くお勧めいたします。


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フェレットのインフルエンザ感染


インフルエンザ感染

フェレット インフルエンザ

発熱 くしゃみ 鼻水

フェレット インフルエンザ 症状
 フェレットは古くから人のインフルエンザモデル動物として研究されています。ご家族で風邪を引いてしまった方がいる場合は要注意です。インフルエンザの場合、フェレットさんにもうつってしまう危険性が高いです。

 人からフェレットへ、フェレットから人へと両方の感染が見られるズーノーシス(人獣共通感染症)ですので注意が必要です。

 症状も人間のインフルエンザにそっくりで40℃以上の発熱、くしゃみ、鼻水、食欲不振がみられます。残念ながらフェレットさんのためのインフルエンザ予防ワクチンはありませんので、感染が広がらないように十分注意してお世話をしてください。

 フェレットさんのオーナー様は比較的多頭飼いをされているケースが多いので、同室のフェレットさんが全員感染するケースも珍しくありません。

 治療は、人間と同様に安静と十分な栄養・水分補給が必要です。成獣のフェレットであれば、ほとんどの場合は1~2週間で回復しますが、老齢やベビーの場合は肺炎を起こして重症化することもありますので専門の対処が必要です。

  脱水症状がひどい場合には、点滴が必要な場合もあります。インフルエンザウイルス以外の細菌感染で重症化しないために、抗生物質も処方されます。鼻炎の症状(くしゃみや鼻水)がひどい場合は人間の鼻炎の薬にも含まれる抗ヒスタミン等も内服します。
 人間のタミフルで効果がある可能性もありますが、十分に検討されていないため当院では使用したことがありません。

 冬の時期に、フェレットさんがクシャミをしていたらお早めにご相談ください。


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