あおぞら動物病院 院長コラム

麻薬やってません!

   


動物病院と麻薬免許

 麻薬っていうとイメージが悪いですが、動物病院の獣医師も麻薬を扱う必要がある場合があります。もちろん、自分自身に使ったらお縄になってしまいますが、動物たちにやさしい動物病院には必ず必要なのが麻薬です。

動物病院で使われる麻薬は、主に強力な鎮痛薬として、痛みの大きな手術や末期がんの患者さんに使われています。有名なモルヒネやフェンタニルといったものが代表的なものですが、麻薬に分類される薬物ですので、施用や管理には厳密なルールが決められています。まず麻薬に分類される薬物を医療に使用する場合には、麻薬取扱者免許が獣医師免許の他に必要になります。

 本日は、2年に一度の麻薬取扱免許申請のために、人間のお医者さんに『麻薬やってませんよ!』とお墨付きをいただくため、船橋駅の病院に行ってきました。完全予約制ではないとのことだったので、順番で診療待ちをしていたのですが、優しい美人女医さんの病院だからか待たされること2時間半(涙)。美人女医の診察1分・・・(笑涙)。麻薬常習者じゃないよなんて診断書を発行してもらうのですが、実際には診察?なんて感じでペンライトで瞳孔の反応を見たり、手の上に紙を載せてみる(笑)という簡易の診断で終わりです。で、保険も使えませんので3,000円チン♫です。病院によっては、男の先生(笑)で、お話だけで6,000円チン(^^♪です。こんな時はお医者さんの友達が欲しいと思います。

 今から10年前の2006年に動物病院業界に激震が走りました。そのころに麻薬免許を持っている獣医師はまだ一部でした。東京・六本木で相次いで死亡した外国人が服用していた可能性が高いとして、2007年1月1日から、ほどんどの獣医師が日常的に愛用していた麻酔薬の『ケタミン』が免許を保有していないと施用も保管もできなくなってしまいました。

 安全性や動物への有効性などから扱っていない動物病院はないのではないかという麻酔薬のケタミンでしたので、1年以内に麻薬取り扱いの免許の取得と、固定式の鍵付き金庫を備え付けないといけないと国から指導がされた時には多くの獣医師が憤りを覚えたものでした。そもそも、動物用の麻酔薬ケタミンが愚かな一部の人間のドラックに使われたという事例があったわけではありません。

 2006年は私が船橋市駿河台に動物病院を開院した年でもありました。麻薬に指定されたケタミンを使うのは、開業当初にはハードルが高いと判断して、その頃から使われ始めた高価で使用法が限定されるが、より安全性の高い麻酔薬のプロポフォールを使うことに決めました。今では麻薬取扱免許を取得していますが、開業以来ケタミンを使用することなく過ごしています。

 施用や保管が大変な麻薬ですが、そのかわりに強力な麻薬性鎮痛薬も取り扱えることで、動物たちの痛みと苦痛を和らげるサポートができていると自負しております。


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