あおぞら動物病院 院長コラム

動物の強制給餌(きょうせいきゅうじ)

      2017/05/26


 様々な理由で動物病院に病気の患者様がいらっしゃいます。時には入院が必要になるケースがあります。

 通院での治療効果が上がらず食欲が改善しない場合や、お仕事が忙しくご自宅での手当てが十分にできない場合など入院といった形でお預かりし、動物病院スタッフが栄養管理をします。

 動物病院に通院して行う皮下補液(皮下点滴)は、食べないときの栄養剤と誤解されることが時々ありますが、ほとんど栄養になる成分は入っていません。皮下補液に高カロリーな成分を混ぜてしてしまうと、皮下の壊死や感染が発生してしまいます。

 皮下補液の目的は水分や電解質(塩分)などを補給して、脱水の改善のために行っている治療になります。もちろん水分も非常に重要な栄養です。

 動物さん、特に猫やウサギは数日間の絶食や食欲不振で肝リピドーシス(脂肪肝)という厄介な肝臓病に進行します。この状態は食事を与える以外に治療法がありません(お薬だけでは治せません)。死亡率も決して低くありません。

 自主的に食べるようになるまでは、本人の食欲がなくても注射シリンジや専用の流動食用のシリンジを使用して一日数回に分けて強制的に食事を与えます。画像の写真は上から犬猫用の流動食、ウサギの流動食、ウサギの青汁です。

 猫と違いウサギは嘔吐をしない動物なため、胃が拡張してパンパンの状態で流動食を与えることは危険な行為です。そのため胃の拡張具合を見ながら固形の流動食を与えるか、液体の流動食(青汁やリンゴジュースなど)を与えるかレントゲンの画像や触診で判断しています。

 無理に与えて嘔吐したり誤嚥したりしないために、本人の状態の確認が必要ですが、食事を食べさせることは非常に重要な治療なので少量ずつでも根気よく与えます。

 口からの強制給餌を受け付けない場合は、鼻にカテーテルを通して液状の流動食を与えます。局所麻酔の点鼻薬だけで設置できますので数分で設置可能です。人の鼻から入れる内視鏡と同じような感覚です。

 さらに長期の治療が必要な場合や口の疾患(顎の骨折や口の中の悪性腫瘍など)の場合は、人間同様に胃瘻(胃カテーテル)を設置することもあります。

 場合により、お薬の『副作用』を利用して食欲を出すことも出来ないくはないのですが、やはりきっかけは食餌をいろいろ探してみたり、温めたり、優しく声をかけたり、一口舐めさせたりといった行為をきっかけにできれば理想的だと思います。いろいろとアドバイスできると思いますので、悩まずにご相談ください。

船橋市のあおぞら動物病院

 


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