ノーベル賞大村先生とワンちゃんの意外な関係

動物病院とノーベル賞

村智先生が2015年10月5日に日本人で23人目のノーベル賞(ノーベル医学・生理学賞)を受賞しました。私の母校である北里大学の特別栄誉教授とのことですが、恥ずかしながら今回の受賞のニュースではじめて知った人物でした。

 大村先生の発見したアベルメクチンからワンちゃんたちのフィラリア予防薬であるイベルメクチンが開発されました。動物病院で一番処方されているジャーキータイプのフィラリア予防薬「カルドメックチュアブル」がイベルメクチンど真ん中のお薬です。

フィラリア予防薬 動物病院 フィラリア

 沢山のワンちゃんをフィラリアから守ってくれているイベルメクチンですが、今回ノーベル賞を受賞した理由はアフリカなどで発生している人のオンコセルカ症の治療に使われて、多くの患者さんの失明の危機から救ったことによるものだそうです。

 イベルメクチンが使われることによって、ワンちゃんのフィラリア予防は劇的に変わりました。以前イベルメクチンが発売される前はフィラリア予防薬は毎日の投薬が必要でした。毎日の投薬って、とても大変ですよね。濃厚感染地域では、一日投薬を忘れるだけでフィラリアに寄生されることもありましたので、昔の動物病院では心臓からフィラリアを摘出するフィラリア吊り出し手術が毎日のように行われていたそうです。

 私が小学生の時に飼っていた愛犬は、庭で飼っていたせいもありましたが1年弱でフィラリア症で亡くなってしまいました。今から30年以上前のことですが、私の記憶に鮮明に残っています。獣医師を志望するきっかけになった出来事でした。

 今では、飲ませるタイプだけでなく、背中に垂らすスポットタイプや注射で予防できるタイプ(副作用の問題で当院では導入を見送っています)などどんどん新しいものが開発されています。

 大村先生の発見のおかげでワンちゃんたちの寿命が飛躍的に伸びたのは間違いないと思います。獣医師として毎日使用しているお薬が、まさかノーベル賞にかかわるお薬だとは夢にも思いませんでした。どうぞ多くの愛犬家の方にも大村先生のワンちゃんたちへの功績を知っていただけたらと思います。フィラリア予防薬 イベルメクチン