猫の毛や目の色って不思議ですよね。猫の毛のバリエーションはどのくらいあるのでしょう。特に日本猫はそのバリエーションが特に複雑になって、オーナーさんに「うちの猫 何色ですか?」なんて相談されてもオーナーさんと一緒にう~ん???なんてなることもよくあります。
イエネコの祖先はリビアヤマネコと言われていますが、リビアヤマネコはイエネコのキジトラのような毛色なので、現在の複雑なカラーバリエーションもはじめはキジトラから派生したそうです。下の画像はリビアヤマネコです。普通にいそうな猫ちゃんに見えますよね。
初めの画像の左右で別々の毛色の顔を持つ猫ちゃんはCG画像ではなくて、実際にフェイスブックページも持っている有名な猫ちゃんです。ページはこちら→https://www.facebook.com/VenusTheAmazingChimeraCat
なんとも不思議な毛色ですよね。遺伝子検査をしていないので、毛色の理由ははっきりしていないそうなのですが、あまりのインパクトに、私も一時期mixiのプロフィール写真の画像に使わせていただいていた時期もありました。
毛色の不思議さに目を奪われてしまいますが、それ以外に気が付かれる点はありませんか?
目の色も左右違いますよね(笑)。
出典:Wikipedia
白猫ちゃんでたまに見られますが、左右の眼の色が違うオッドアイという形質のことです。ちなみに白猫以外でオッドアイがみられることはかなり珍しいです。ネットの画像検索で、「オッドアイ」で検索すると、なぜか女優の奥菜恵さんが出てきて、なんでだろうと調べてみると実は奥菜さんも虹彩異色症ということで左右の眼の色が違うそうです。もちろん、猫のようにはっきりしてませんけれど。
このオッドアイ、とてもキレイな目の色ですが、実はブルーの目がある側の耳は難聴であることが多いそうです。4割くらいだといわれているそうです。
一昔前ブームでハスキー犬がたくさん飼われていました。獣医漫画の「動物のお医者さん」でもチョビというシベリアン・ハスキーが登場していましたが、ブームの火付け役だったのではないでしょうか。彼・彼女らもオッドアイの個体が人気でした。
性格的に、やんちゃなワンちゃんたちでしたが、最近ではほとんど見なくなってしまいましたね。オオカミに近い犬種のようで、しっかりした躾や訓練がされていないと、かなり恐ろしいワンちゃんというのが現場で働く獣医師の意見でした。私が駆け出しだった代診時代は結構ハスキー犬に泣かされました。その後、大型犬ブームなども終わり大量に保健所に捨てられる運命になるとは・・・。ブームに乗りやすい日本人はいろいろ考えないといけませんね。
猫の毛色に戻りますが、三毛猫のオス猫が非常に貴重だということを皆さんご存知でしょうか。私たち獣医師が一番遭遇する機会があるのではないかと思いますが、オスの三毛猫は今までの診療で1匹だけしか遭遇したことがありません。遺伝的な条件がそろわないと発生しない毛色で、その発生率1/30,000ともいわれていて、おそらく私はもう会うこともないのかと。
その希少性から、航海の守り神として船乗りや漁師に高値で取引されたとかされないとかの話もあります。もし動物病院に三毛猫を連れていらして、「お金を出すので譲ってくれ」なんて怪しい話を持ち掛けれれても決して手放さないでくださいね(笑)。