『クリヨペン 動物用凍結手術装置』 

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 2018年1月22日追記
 こちらの記事をご覧になってか、遠方から凍結治療をご希望される方がいらっしゃることがありますが、当院では現在レーザー治療に移行しているため、凍結手術は原則行っておりません。ご注意ください。

クリヨペンってなに?

H&O Equipments N.V. 社(ベルギー)製の動物用凍結医療機器です。

細胞や組織を超低温で瞬時に凍結させて破壊する治療法を凍結療法とか凍結手術といいますが、大型の液体窒素ボンベなど大掛かりな準備をしなくても手軽に凍結療法をするために開発されたものがクリヨペンです。

専用のカセットボンベを使い、超低温ガスを患部に照射して腫瘍細胞を破壊します。

人の皮膚科でイボなどを治療する液体窒素は-196℃ですが、この製品の治療温度は-89℃とややマイルドです。

メリットは?デメリットはないの?

最大のメリットは全身麻酔をかけなくても行えることです。局所麻酔すら不要な場合も多いです。小さなイボに対しての治療なので、特別な麻酔もせずに行うことが可能です。また、超低温であるため患部の痛覚もマヒさせて痛みを感じにくくする効果があります。ただし、照射する場所や個体の痛みに関する感覚によって痛く感じる場合もあります。

※私が足のウオノメを人間の皮膚科で液体窒素療法で治療した時は1日靴が履けない程度の痛みで悶えましたがクリヨペンで膝のイボを治療した時はひんやり感じるだけで確かに痛くなかったです。

半導体レーザーを導入後(2016年~)は当院ではこの医療機器を使わなくなってしまいましたがが、以前は麻酔なしでイボの除去が可能だったため、飼い主様によろこばれていました。

デメリットは、治療の効果がマイルドだということでしょうか。半導体レーザーと比較しても意味がありませんが、半導体レーザーで行えばほとんど1回で済む処置に2~3回以上通院での処置が必要になります。

半導体レーザーだと使い方をマスターしていないと、処置の効果が強すぎてジュクジュクした傷を作ってしまいますがクリヨペンの場合はその心配はなさそうです。マイルドで優しいのですが、非力です。

2017年現在の製品はどうですか?

導入当時はクリヨペンがある病院をわざわざ探して電話でのお問い合わせや来院されるオーナー様も結構いらっしゃいました。麻酔なしで腫瘍が治療できると思われるようですが、実際には体の表面のイボといわれるような小さなしこりに対しての医療機器ですので、飼い主様が思っているほど万能ではありませんでした。

また、ボンベのガスがすぐ無くなってしまう(カートリッジ1本で20秒くらい)のと、1センチ以上のイボだと3回以上の通院が必要になる場合があります。実用レベルは5mm程度の体表のイボでしょうか。私の病院で使用していたものは初期のモデルだったからかもしれません。初期モデルはガスの照射開始とストップを蓋(キャップ)で行うものだったので、かなりガスの無駄が発生しましたし、飼主様の前でバタバタしてしまいカッコが悪い処置になることもたびたびありました。

現行品は手元のスイッチで照射・ストップが切り替えられるクリヨペンMやXといった製品ですが、なぜ初期のものにスイッチが無かったのか非常に不思議です。現行品は販売価格が318,000円と結構微妙な価格なので、動物病院開業初期の売りを作るのには有益かもしれません。ただ消耗品のカートリッジが無くなるのがはやいです。

クリヨペンの実際の使い方

使い方としては、イボに対してほぼ接触するかしないかの近距離で、凍結して白くなるまで照射します。ガスが噴出す音を嫌がる動物が多いですが痛みは感じていないようです。実際に自分の皮膚に照射してみたのですがひんやりするだけで痛みは感じませんでした。1回照射した後、数十秒後にもう一度行うことを推奨しています。

クリヨペンの治療法

 

ちなみに人体用のものも発売されているようで商品名は『クライオプローブ』のようです。

クライオプローブ クリヨペン

 

使用頻度    低

お気に入り度 今は判定不能

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