動物病院では診察の際に体温を測定することが良くあります。病気の際はもちろんですが、ワクチン接種の際には必ず体温測定を行っています。
人間では脇の下や、口腔内で測定しますが、ワンちゃんや猫ちゃんの場合脇の下や口での測定は困難なので、肛門で体温測定をします。
直腸温は脇下よりやや高めに出る傾向がありますが、ワンちゃん・猫ちゃんの平熱は38.0~39.2℃くらいです。
いつも大興奮の大型犬やフレンチブルドックくん達は涼しい診察室でも40℃以上になることもたびたびありますので、野外では熱中症に注意が必要です。
当院では先が柔らかく、肛門に傷がつかない体温計を使用しています。10秒で体温が計測できますので非常に便利です。
他にも、耳の中で体温を測定するタイプのものは、1秒で体温の測定ができるそうですが、協力的な動物でないと耳の中で体温を測るのは、やや難しいかもしれません。ご自宅で、測定するには良い設備だと思います。
イタリアのメーカーによる赤外線を測定するペット用体温計もあるようです。サーモペットという商品です。目から出る赤外線で、体温を測定することができる非接触性の体温計ですが価格が29800円と結構高価です。
どの程度目の傍まで近付ける必要があるのかがわからないのですが、それなりに近づけなければならないようですと、怖がりの犬猫には危ないかもしれません。猫パンチでKOとか笑えません。
手術後に低下した体温を測定するくらいであれば、あまり動かしたくない状態の術後の患者様には良さそうなので、購入してみました。
実際に使用してみたのですが、目の大きさが小さい動物の場合、うまく測定できませんでした。また、個体ごとに温度を補正する必要があるようで、その補正もなかなか大変なので、結局うまく使いこなせずお蔵入りになってしまいました。非常に期待していただけに残念でした。
現在は人気が無かったためか国内では終売になっています。
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