ウサギのダニ寄生による皮膚病について
2019年01月10日
ウサギさんの被毛をよく観察してみてください。毛の表面にやや茶色の非常に小さなフケのようなものがたくさんついていないでしょうか。
私も老眼がすすんできて、肉眼で発見するのが困難になってきましたが、何とかギリギリ発見できる大きさです。実際にはセロテープで毛ごと採取させてもらい、顕微鏡で確認します。
画像のようにフケだらけになって痒みが強いものはウサギツメダニの場合が多いですが、こちらは人間を刺すことがありますので要注意です。
お散歩にも出もしていないのにどこからダニが・・・と思われるでしょうが購入時からずっと寄生していたのを気づかないケースがほとんどのようです。
上の画像は別のダニでウサギズツキダニという名前です。こちらは大量寄生でないとあまり皮膚炎を起こさないので、健康診断で偶発的に見つかるケースが多いです。毛を食べているダニなので痒みやフケが出にくいようです。
治療はダニ駆除薬のスポットタイプを2週間隔で2回投薬します。1回だと十分な効果が得られないことがあります。スポットタイプの駆除薬もウサギさんに有害作用が無いものを選ぶ必要があります。犬猫用のスポットタイプでウサギさんの死亡例も報告されているため、広く使われているセラメクチンという成分のスポットタイプを使用しています。
同時に、飼育環境の清掃も大切ですが、ウサギの体表から離れると数日~10日程度しか生存できないので、他のウサギさんに感染させないように注意すれば、駆除薬の効果があるうちに死滅してしまうと思われます。
心配な場合は、一般の消毒薬では効果が無いためスノコやケージを熱湯で消毒します。