ウサギのソアホック(足底潰瘍・飛節びらん)について
ウサギさんをヨイショと仰向けにしてみてください。あるいは足を後方に伸ばしてくつろいでいる時に足の裏を観察してみてください。
ウサギさんの足の裏には犬猫のようにクッションとなる肉球がありません。代わりに豊富な毛で覆われています。
しかし、いくつかの理由で足の裏の毛が失われると、時に命に関わる重大な病気になることがあります。
ソアホックって何?
ソアホック(別名:足底潰瘍、飛節びらん)とは、この足底の皮膚におこる病変です。足の中央付近とかかとの部分は骨が皮膚に近いため床ずれのような状態が発生しやすくなっています。脱毛し軽度に赤く腫れる程度から重度な潰瘍を起こし、出血や感染をおこします。骨に感染を起こしたり、それによって全身的な敗血症に陥り死にいたるケースもあります。
ソアホックになる原因は何?
フローリングでの飼育やケージの底が硬すぎることが大きな要因になりますが、多くの飼主さんがスノコで飼育されているのに、病気になる個体と平気な個体がいるので、床材以外の要因も悪化につながると考えられます。本来は自然界の土の上のようにデコボコした環境が好ましいと考えられています。
床が湿っていて不衛生だったり、ケージが狭すぎて運動不足だったり、栄養を取りすぎて肥満になることも原因として挙げられます。また、爪が伸びすぎていたり、全身的な体調不良や栄養失調でも発症の危険性が高くなります。
ソアホックは治るの?
治療としては、まず飼育環境の再確認です。衛生的な環境で発症したのであれば、更にクッション性を持たせる為に、牧草を敷き詰めたり、市販の休足マットを何枚かケージに使用してみるのも良いでしょう。足の裏に糞尿が着いてしまわないようにマメにスノコやトイレの掃除が必要です。
併用して、ケージが狭い場合は大きめのものを用意したり、肥満のウサギさんでは、牧草を主食に出来るような食事環境で自然なダイエットを行います。
感染による炎症が疑われる場合、抗生物質や消炎剤の内服や、クッション性のあるガーゼやコットンを当てたテーピングを行う場合もあります。
テーピングをまく際の注意事項としてウサギさんがテーピングを気にして最悪かじって食べてしまう(誤食)の危険性もありますので、エリザベスカラーが必要になる場合もあります。
あおぞら動物病院では半導体レーザーを当てて炎症と痛みを緩和することも可能です。炎症の強いものでは頻回のレーザー治療が必要となりますが、効果は十分感じられると思います。
非常に治療に時間がかかる病気(月単位)なので、早期発見の為に日頃から足裏のチェックを行ってあげてください。