猫の口内炎・歯肉炎の治療【獣医師監修】

2019年01月11日

日常の健康診断で口の中を覗いてみると、歯肉が真っ赤に充血していたり、軽く触れただけで出血してしまうような、いかにも痛々しいお口を持った猫ちゃんに頻繁に遭遇します。
詳しくお話を伺うと、「ヨダレが出てお口が臭いんです」とか「最近硬いものを嫌がるようになりました」、「もう年寄りですから(笑)」等々、あまり病気という意識が無いようです。

口内炎とは口腔粘膜の炎症ですが、口臭や粘稠性の高いヨダレ、粘膜の充血・出血・ただれ、舌の潰瘍等で満足に食事が摂れなくなり、どんどん痩せ細ってしまいます。

口内炎を引き起こす原因とは

①歯周病・歯石
②異物(骨や針等)
③毒物
④ウイルス感染(猫の風邪)
⑤細菌感染
⑥腎不全による尿毒症
⑦糖尿病
⑧猫エイズや白血病による免疫力低下

このように、ひと言で口内炎といっても潜在する様々な疾患によって二次的に発症することが多いので、たかが口内炎と軽視せず、全身的な検査をされることを強くお勧めします。

口内炎に有効な治療とは

治療としては、まず基礎となる疾患を診断することから始まります。その疾患の治療と並行して、抗生物質や消炎剤で口腔内の環境を改善します。食事がとれず弱ってしまっている場合には一時的に即効性のあるステロイド剤や鎮痛剤を使用することがあります。

治療にはインターフェロン療法やレーザー治療、エステル型飽和脂肪酸複合体のサプリである「eFace-V」など最新の治療も積極的に取り入れております。

 

治療に対する反応が悪く、一度治っても再発を繰り返す難治性の口内炎では、全ての臼歯を抜歯する全臼歯抜歯療法というものが注目されています。様々な治療で改善が見られない場合の根治治療として当院でも非常に高い有効性(70%以上の有効性)が確認されています。

抜歯なんてかわいそうと思われるかもしれませんが、フェンタニルという強力な鎮痛剤(モルヒネの仲間)を使うので術後の経過も良く、食事も今までと変わらないものを食べられるので結果的に非常に快適な生活を送れるようになると思います。この治療によって1年で3キロも体重が増えた猫ちゃんもいます。

あなたの愛猫に少しでも思い当たる点がありましたら、一度お口の健康診断に連れて行ってあげてくださいね。

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