犬が異物誤飲(誤嚥)をした場合【内視鏡での異物除去】

犬猫の異物誤食は、私たち獣医師にとって非常に身近な問題です。

特に子犬の時期が多いのですが、ちょっとしたスキに落ちていたものを咥えて飲み込んでしまいます。まずお電話をいただくことが多いのですが、専門家の私たちでもお電話での対処が難しいケースがほとんどです。

 船橋市の動物病院 内視鏡
食べてしまっても大きな問題にならない(中毒や腸閉塞を起こさない)ものもあります。ですが実際には、お電話をいただいた後できるだけ早くに来院していただきます。

体内に吸収されてしまう製品は中毒の危険性もありますので、製品の成分を記載した袋紙などは持参していただいた方がありがたいです。オーナー様の普段常用されているお薬(高血圧の薬や安定剤など)を飲んでしまうケースも多いのですが、体重が人間の1/10くらいしか無いペットにとっては非常に危険です。また、お薬の吸収は非常に速いので一刻を争います。

それに比べると、靴下やビニール、小石などは胃の中にあるうちであれば嘔吐させて出すこともできるので1~2時間くらい余裕がある場合がありますがやはり早く来院していただいた方が安心です。

胃内の異物

異物の誤飲 犬 船橋市の動物病院

来院後は、手早くお話をお伺いしてレントゲンに写りそうな異物であれば確認します。
そのあと、お薬によって催吐(嘔吐を促す)処置を行うのですが、催吐にはいろいろなお薬があり動物病院や獣医師によって好む処置が違ったりします。

民間療法では塩を飲ませて吐き気を催すのを待つ方法もあるようですが、大量摂取後に嘔吐が無かった場合に危険性もあるようなので動物病院ではあまり一般的ではありません。

他に、希釈したオキシドールを飲ませる方法もありますが、当院では人間の歯磨き粉にも配合されている止血剤のトラネキサム酸を血管から注射する方法を好んでいます。非常に副作用の少ない催吐方法ですが、数%にケイレン発作が起きるケースがあるとのことです。

効果は100%ではないのですが、通常血管注射後5~10分程度で嘔吐が見られます。目的の異物が出てくればオーナー様と一緒にホッとできます。実際には80%くらいの成功率のようです。

残念ながら効果が無かった場合、誤食した異物の種類により内視鏡による異物の摘出を行うかオーナー様と相談します。全身麻酔が必要なのですが、お腹を切る必要が無いため負担は最小限で当日何もなかったように帰宅できます。

異物の摘出は内視鏡の先から専用の鉗子(かんし)を出して、まるでUFOキャッチャーのごとく異物を摘出します。これには経験と助手との息が合わないとうまくいかないのですが、短時間で目的の異物を摘出できた時にはその場のスタッフから歓声があがります。
船橋市 動物病院 異物 内視鏡
不謹慎ですがちょっと癖になります。

 

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