内視鏡による異物・検査【船橋市 あおぞら動物病院】

2019年01月11日

少ない月でも3~5件くらいはあるでしょうか。

犬猫の異物誤食は、私たち獣医師にとって非常に身近な問題です。

特に子犬の時期ややんちゃな猫ちゃんが多いのですが、ちょっとしたスキに落ちていたものを咥えて飲み込んでしまったりしてしまいます。まずお電話をいただくことが多いのですが、専門家の私たちでもお電話では対処が難しいケースがほとんどです。

食べてしまっても大きな問題にならない(中毒や腸閉塞を起こさない)ものもあります。

ですが実際には、お電話をいただいた後できるだけ早くに来院していただきます。

体内に吸収されてしまう製品は中毒の危険性もありますので、製品の成分を記載した袋紙などは持参していただいた方がありがたいです。

オーナー様の普段常用されているお薬(高血圧の薬や安定剤など)を飲んでしまうケースも多いのですが、体重が人間の1/10くらいしか無いペットにとっては非常に危険です。また、お薬の吸収は非常に速いので一刻を争います。

それに比べると、靴下やビニール、小石などは胃の中にあるうちであれば嘔吐させて出すこともできるので1~2時間くらい余裕がある場合がありますがやはり早く来院していただいた方が安心です。

来院後は、手早くお話をお伺いしてレントゲンに写りそうな異物であれば確認します。
そのあと、お薬によって催吐(嘔吐を促す)処置を行うのですが、催吐にはいろいろなお薬があり動物病院や獣医師によって好む処置が違ったりします。

民間療法では塩を飲ませて吐き気を催すのを待つ方法もあるようですが、大量摂取後に嘔吐が無かった場合に危険性もあるようなので動物病院では一般的ではありません。他に、希釈したオキシドールを飲ませる方法もありますが、胃粘膜が相当荒れてしまったり、気管への誤嚥も危険です。

当院では人間の歯磨き粉にも配合されている止血剤のトラネキサム酸を血管から注射する方法を好んで実施しています。非常に副作用の少ない催吐方法ですが、数%にケイレン発作が起きるケースがあるとのことです。効果は100%ではないのですが、通常血管注射後5~10分程度で嘔吐が見られます。目的の異物が出てくればオーナー様と一緒にホッとできます。実際には80%くらいの成功率のようです。

猫ちゃんの場合は、この方法での催吐の有効率が低いため、簡単な処置に使用する鎮静剤の副作用による吐き気を利用して催吐を促します。こちらの有効率は60%前後のようですので、猫ちゃんの催吐は若干難しいです。

残念ながら効果が無かった場合、誤食した異物の種類により内視鏡による異物の摘出を行うかオーナー様と相談します。全身麻酔が必要なのですが、お腹を切る必要が無いため負担は最小限で当日何もなかったように帰宅できます。

異物の摘出は内視鏡の先から専用の鉗子(かんし)を出して、まるでUFOキャッチャーのごとく異物を摘出します。これには経験と助手との息が合わないとうまくいかないのですが、短時間で目的の異物を摘出できた時にはその場のスタッフから歓声があがります。

不謹慎ですがちょっと癖になります。

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