犬の歯周病・歯石除去・抜歯【獣医師監修】

ワンちゃんの高齢化に伴い歯周病が大変増えています。最近では月に一件以上麻酔下での歯石除去のご予約が入っています。実際には歯石のクリーニングだけではなくほとんどのケースで複数本の抜歯が必要となる重度の歯周病になっているケースが多くみられます。

「最近、うちのワンちゃん、お口がくさい」なんて思っている飼い主さん、要注意です。お口の中をチェックしてみましょう。茶色い歯石が歯の表面を覆っていたり、ハグキが赤く腫れ上がったりしていませんか?

歯周病って?どんな悪影響があるの?

歯周病とは、歯の周囲に付着する歯垢や、歯垢が石灰化してできる歯石によって歯肉や歯根がおかされる病気です。5歳以上の犬の約80%以上は歯周病がみられます。

歯周病になると口臭だけでなく、食事をするときに痛みを伴ないます。また、細菌が血管から進入し心臓や肝臓、腎臓などへ運ばれて感染症を引き起こすことにもなります。最近では、健康診断でほとんどのワンちゃんのお口にトラブルが発見されます。

歯周病になりやすい品種として、小型犬種(トイプードル、ミニチュアダックス、ヨーキー、ポメラニアンなど)や短頭種(チワワ、シーズーなど)が注意が必要です。

特に一番大切なのは上下の犬歯です。上の犬歯が抜けた場合、口と鼻が繋がって食事や水が鼻腔に入り込んでしまう口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)が発生したり、下の犬歯が抜けた場合には下顎が後退して舌が出たままのワンちゃんになってしまいます。

また、臼歯の歯根の感染で下顎骨折や眼の下の頬に膿がたまる根尖膿瘍(こんせんのうよう)が発生することもあります。

歯周病 頬 傷 犬

歯周病の予防と治療

歯周病の予防としては毎日時間を決めて、歯を磨いてあげるのが効果的です。
最初はどんなワンちゃんでも歯磨きを嫌がります。嫌がる場合は、無理に行わず、毎日少しずつ根気よく練習しましょう。ワンちゃん用の歯ブラシも多数販売されていますが、初めは指にカーゼを巻き付けて、ぬるま湯で湿らせたもので優しく声をかけながら行うと良いかと思います。初めのうちは犬歯が磨きやすいと思います。

ただし、歯石がついてしまった場合には上記の方法では取れません。ワンちゃんの場合、人間のように「お口を開けてください」とはいきませんので、全身麻酔をかけて、スケーラーや超音波歯石除去機で歯石を除去します。驚くほどきれいになります。

歯石除去 治療 犬

高齢のワンちゃんに限らず7~8歳くらいのワンちゃんでも重度の歯周病を抱えていることが多くなりました。歯石を除去したら、歯根が見えていたり、歯がグラグラしていたりと歯石を取った際に歯根の異常が認められた場合、今後の口腔衛生の為にもためらわずに抜歯を行っていきます。グラグラしている歯は再生することがありません。

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