フェレットの耳ダニ(ミミヒゼンダニ)の症状・治療
当院に初めていらしたフェレットさんは、必ずお耳のチェックをさせていただいております。
当院のケースですが、約2~3割程度の割合で耳ダニが見つかります。
ペットショップ購入の犬・猫の場合、恐らく数百頭に1頭くらいしか見つかりませんので、フェレットではかなり蔓延しているといっていいでしょう。
もちろん、ペットショップ購入後の若い個体ばかりでなく、今まで動物病院とあまり縁が無かった成獣でも同じような割合で見つかっています。
耳ダニの症状は?
耳ダニが寄生している場合、犬猫では狂ったように頭を振って痒がるケースが多いのですが、我慢強いのかフェレットさんの場合あまり気にしていないようです。ほとんどのフェレットさんが無症状です。
フェレットの耳垢がもともと多く出る傾向があるため、飼い主さんも耳が汚れていても掃除だけであまり気づかないようです。普段の耳垢は茶色みがかったものが多いのですが、耳ダニの耳垢は真っ黒で量も多いのが特徴です。
耳ダニの治療方法は?耳掃除はした方が良いの?
動物病院では耳ダニを確認した場合、スポットタイプの首筋に垂らすお薬を使用します。残念ながら、ワクチンも含めてフェレット専用の製剤は日本にはありませんが、猫用のアドボケートというスポット剤は欧州ではフェレットさんのミミダニにも認可されており使われているため、当院ではアドボケートをメインに治療しています。他にレボリューションも同様の効果があります。
スポット製剤は耳ダニの卵に対しての効果が無いため、2週間間隔をあけて2回投薬します。駆除率は90~100%ですが、時々しつこく駆除できていない場合もありますので、定期的に耳の観察が必要かと思います。
効能外の使用法になりますが、スポットタイプのフロントラインを直接点耳することもあります。レボリューションが発売される前は、猫ちゃんの耳ダニでは以前より行われていた治療法です。
フェレットさんの耳掃除は皆さんどのくらいの頻度で行っていますでしょうか?いつ掃除しても黒い耳垢がたくさん採れるので、ついつい頻繁に行う方が多いようですが、基本的にフェレットさんの耳は正常でも耳垢が多いです。耳掃除に力が入り逆に耳道に傷を付けてしまうケースもあります。ですので、当院ではあまりフェレットさんの耳掃除をおすすめしていません。
多頭飼育されている場合、全員が感染しているといったケースも珍しくありませんので、新しいフェレットさんを迎い入れる場合には、動物病院で耳のチェックをされることを強くお勧めいたします。