フェレットの腸閉塞 異物誤飲・嘔吐【獣医師監修】

2019年01月10日

フェレットは好奇心旺盛な動物です。特に若いフェレットは、遊んでいるうちに異物(プラスチックやスポンジ、ゴム製品のおもちゃ)を飲みこむことがあります。また、2歳以上になると、胃の中に毛玉が貯まってくることがあります。みなさんが良く耳にする毛球症(もうきゅうしょう)です。

腸閉塞の症状は?

典型的な消化器症状(嘔吐や下痢)を起こすこともあれば、全く吐かずに食欲不振や、なんとなく元気がなくなるだけのケースもあり、胃腸炎や他の内臓疾患との鑑別がつきにくいことがあります。完全に腸をふさいでいる腸閉塞に比べ、毛玉が胃の中に停滞する毛球症の方は症状がはっきりしないことが多いです。

フェレットさんは肉食動物であるため腸が非常に短く、食べたものが3時間ほどで便になって出てくる動物です。便が出ているから大丈夫とは言えず、何度も嘔吐がみられる場合は真っ先に腸閉塞が疑われます。

腸閉塞の診断方法は?

異物の誤飲が多いフェレットさんだったり、イタズラ好きな幼少期の場合は腸閉塞の可能性が高くなります。
動物病院では触診でお腹を触ったり、レントゲン検査などを行い、一般治療に対して改善が無いような場合、バリウムを飲ませての造影検査を行って診断をしていきます。

ご説明の通り、腸が短いフェレットさん達なので、バリウム造影検査の結果が他の動物よりかなり早く診断することができます。通常は2~3時間で十分診断可能です。

胃の中の異物や毛玉もバリウムが浸み込んで残ったりすることが多いため診断が可能になります。

自然に異物が便に出るケースや嘔吐で出てくるケースも全くないわけではありませんが、頻繁な嘔吐と食欲不振で小さな動物さんはあっという間に危険な状態になることもあります。

腸閉塞が起きている場合の治療方法

バリウム検査で明らかな閉塞(胃腸からバリウムが流れなくなる)が確認できた場合、開腹手術で異物を摘出します。手術自体は犬猫で行われているものと大差ありませんが、小さな動物だけに普段以上に神経を使います。残念ながら犬猫で行う内視鏡での異物除去は体の小さいフェレットさんには適応できません。

若いフェレットさんを部屋に出す時は、囓られたり食べられたりするようなものは絶対にそばに置かないようにしてください。 また、中高齢のフェレットさんの場合、自分で毛を排出することが難しくなってくる場合もありますので、頻繁なブラッシングと毛玉予防用のサプリメント(ラキサトーンやキャットラック)も上手に利用しましょう。

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