ウサギの斜頸(特にエンセファリトゾーンについて)

うさぎの斜頸 エンセファリトゾーン

うさぎさんでは比較的多くみられる症状に斜頸(しゃけい)というものがあります。
ある日突然、頭がどちらかの方向に傾き、眼球振盪(目が一定方向に揺れ動く)、まっすぐ立てなくなり転がるといった症状が現れます。

斜頸の原因について

ウサギさんの斜頚の原因として、

エンセファリトゾーン(原虫の一種)

パスツレラ菌などによる内耳の異常

脳腫瘍などの神経疾患が考えられます。

近年報告された情報(インターズー VEC23号より)では無症状のウサギさん196頭を含めた337頭の内エンセファリトゾーンの陽性率は6割以上であったと報告されています。無症状ですが、感染経験のあるウサギさんが非常に多いことに驚かされます。
数年前より国内機関でこのエンセファリトゾーンの抗体検査を行えるような環境が整いました。

エンセファリトゾーン 抗体検査
しかし、結果が出るまでに数日間を要すことと、無症状でも高い陽性率がみられる為、確定診断ではなく参考程度の検査になる場合もみられます。
当院でも、当初この検査を行っていましたが、上記の理由から希望される飼主様に対してのみ行うようになりました。

斜頸の治療方法について

治療としては、フェンベンダゾール(ウサギに詳しい病院にしか在庫が無いかもしれません)という駆虫薬を長期(通常1ヶ月)に渡り内服します。

フェンベンダゾール うさぎ

しかし、仮診断の上での投薬なので、パスツレラ菌などの細菌感染の可能性も考慮し抗生物質の投薬も2週間程度併用します。
神経の保護のためにステロイド剤を使用するケースもありますが、細菌感染を悪化させる可能性があるので、最初から処方することは当院ではあまりありません。
一番大事なことは、薬の効果が現れるまで(2週間以上かかる場合があります。)、食餌を自分で取れない場合は飼主さんの手厚い看護が必要となります。
この病気で命を落とすことがあるとすれば、食事を摂れない事による栄養不良によるものが多いと思われます。
自分で食べてくれるようになるまでは、場合により流動食を自宅で与えてもらう必要が出てきます。

後遺症・斜頸が治らない

神経の病気ですので、数日で改善するケースはあまりありません。なかなか良くならないウサギさんを前に、本当にこの治療で良いのか葛藤される飼主さんも沢山おります。食欲が改善したのちも後遺症として斜頸だけが残り、ずっと首を傾げたまま生活しているウサギさんもたくさんいらっしゃいます。
スタッフ一同、飼主さんの手助けをできる限りいたしますので、些細なことでも遠慮なくご相談下さい。

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