ウサギの診療について(動物病院の診療現場から)

うさぎの診療 動物病院

ウサギの診療を行っているかという動物病院向けのアンケートで25%の動物病院が診療を行っていないと回答がありました。さらに、犬や猫では当たり前の去勢や避妊の手術が行えない病院を含めると2件に1件の病院しか診療を行えていない状況です。病院の名前で、あえて犬猫病院としている病院はもちろんですが、ホームページ等を確認するとウサギが診療対象に入っていない病院が多いと思います。

獣医科大学では6年間の教育の殆どが牛や馬などの大動物と、犬を主体とした小動物に時間が割かれます。私が学生のときに、ウサギの治療や手術について教わった記憶は殆どありませんでした。
そのような状況ですので、ウサギの診療を行っている先生方は修行先の動物病院や、ウサギさんの診療の第一人者の先生方の書籍を熱心に勉強して独学で知識と技術を学んでいると思われます。
当院院長の修行先も幸いにもウサギの診療を行っていましたし、ウサギさん自体も好きだったためにウサギの診療の情報は新人時代から意識して収集してきました。
幸い、コツコツと行ってきた努力が報われたのか、当院のウサギさんの診療割合は犬、猫についで全体の20%以上になりました。また、当院で働く勤務医の先生方もウサギの診療を熱心に吸収してくれています。

ウサギの診療を行っていない『診ない』先生方の『診ない』理由を上げていくときりが無いかもしれませんが、

①ドワーフ系のウサギなど小型の動物のため、一般診療に特殊な技術が必要。
②ウサギの生態や治療方法の情報が少なく、手探りな治療になることも多い。
③ネット社会になって、飼主さんのネットでの情報収集が診療に影響する(いい意味でも悪い意味でも)。
④ウサギの診療に精通した獣医師仲間が周りにいないため、孤立した診療に陥りやすい。
⑤診療中の事故が起こりやすい(ネットでも事故の情報が多数掲載されています)。
・骨折・・・骨が猫の半分程度の厚みしかないことに加えて、運動不足や日光不足の飼育環境。
・突然死・・・捕食される側の動物であるウサギは恐怖により急性心停止を起こす機構を持っている(アドレナリンショック)。
・突然死2・・・症状を表さない動物であるため、飼主や時に獣医師が想定しているより重症である場合がある。
⑥不慮の事故(当事者ではなく第三者から見て避けられなかったであろう事故)が起きたときダメージが獣医師側にも大きい。

当院でも、ウサギさんの診療件数が増えれば増えるほど、犬猫の診療だけを行っていれば受けないであろう重圧がどんどん増えていくのを感じます。何度もウサギさんの診療を辞めようかと考えたこともありました。実際に、以前は行っていた小鳥の診療は未熟なままご迷惑をかけてはいけないと診療対象から除きました。

至らぬことも多いと思いますが、ウサギの専門病院との連帯も取りながら、船橋市で一番腕の良い動物病院になれるよう努力いたしますのでどうぞご声援のほどよろしくお願いいたします。

                       あおぞら動物病院 院長 八島良平

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