猫の甲状腺機能亢進症【獣医師監修】

2019年01月11日

甲状腺機能亢進症ってどんな病気?

毎年8歳以上のシニア猫での発生率が増えている病気に『甲状腺機能亢進症』という疾患があります。甲状腺(こうじょうせん)とは喉の左右にある小さな器官ですが、甲状腺の過形成や腫瘍などにより過剰に甲状腺ホルモンが分泌されることによって特徴的な症状を呈します。ヒトのバセドウ病がこれに近い病態です。
私の自宅にいる猫も16歳ですがこの病気になっています。見た目若々しいのですが、一日中お腹を空かせているようで一見病気には見えませんでした。
今では毎日朝晩のお薬を飲んで異常な食欲も落ち着いています。

甲状腺機能亢進症の症状

甲状腺ホルモンは新陳代謝を調整するホルモンです。それが過剰に分泌されると様々な臓器が鞭を打たれて無理やり頑張らせてしまう状態が続いてしまうため、臓器のダメージが通常の老化より急速に進んでしまいます。
元気や食欲は通常以上にあるのに、急に年取ったように見える場合は自然な老化ではなくこの病気の可能性があります。

甲状腺機能亢進症の治療方法

お薬や食事療法による内科治療と手術による外科療法があります。内科治療ではお薬や食餌でホルモンの量をコントロールするので生涯の投薬が必要になります。

【内科療法】
・甲状腺ホルモンを抑える抗甲状腺ホルモン剤(メルカゾール)を内服します。原則、内服がしっかりできる場合は食事療法は不要です。
・食餌療法ではヒルズ社の甲状腺治療用フード(ヒルズ y/d)を与えます。できるだけ他のものは与えないようにしてください。※食事だけでコントロールできないケースもあります。

【外科療法】
・手術により大きくなった甲状腺を摘出します。手術を行うかどうかは年齢や基礎疾患があるかどうかで判断します。。
※高齢での発生が多いため麻酔のリスクを考慮する必要があります。手術後にも定期的にお薬を飲ませる必要になることもあります。

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