注射前のアルコール消毒しないの?

ワクチン 動物病院

 お気づきの方もいらっしゃると思いますが、あおぞら動物病院では注射の際にアルコール綿で皮膚を消毒する行為を行っておりません。

 「え~っ!? 知らなかった~」とか「うちの子が感染を起こしたらどうしてくれるの!!!(怒)」などと驚いていただければこのコラムの意味がありますがどうでしょう。

 人間では注射を打つ前にアルコール綿で皮膚を消毒しているイメージが強いと思いますが、実はあまり意味がないといわれています。アルコール消毒のメカニズムはいろいろとネットに紹介されていますので割愛しますが、皮膚を1・2回拭いた程度では無菌状態にはとてもならないそうです。また、注射部位に特殊な免疫不全が起きていない限り注射針によって感染を起こす危険性は無いと考えられています。

 このようなアルコール消毒ですので、当院ではあえて注射前のアルコール消毒を行わずに注射しています。アルコール消毒時の独特の嫌な感じ(冷たい、スースーする、ヒリヒリする)をさせて、今から注射を打つのだよと怖がらせるより、できるだけ気付かないうちに注射を終わらせるよう心がけています。

検査のために採血を行うときはアルコールを使いますが、これは消毒というよりアルコールの作用で血管を怒張させたり、毛を掻き分けたりするために使用しています。

 このような、一風変わった行為を行っている場合もありますが、できる限り最新の医療を実践していきたいと思っております。お気づきの点がございました遠慮せずにお伝えください。