この夏もたくさんのノミをつけたワンちゃん猫ちゃんが来院しました。ウサギさんにもついてた子がいましたよ。うさんぽでついたのでしょうか。
毎年夏の時期にネットでの検索が増えるこの記事ですが、ノミの写真画像をご覧になって訪れていただいてるのでしょうか。google検索の『ノミ 写真』で当サイトへの訪問が多いようです。犬猫を飼っている方でも、一度も見たことが無いという方も多いですが、見逃しているのかもしれません。
比較的駅周辺で自然が少なくなってしまった船橋市のあおぞら動物病院の近くでも発生しているようで、毎年夏から秋にかけてよく相談を受けるテーマです。
連日の猛暑の影響か、今年はじめてノミを発見してちょっとしたパニックになって来院された方もいらっしゃいました。トリミングでトリマーさんに指摘されてあわてて動物病院に来院されるケースもあります。ノミはペットだけでなく、人間の血液も吸血します。下の画像はノミに刺された人間の腕です。痒そう・・・。
ノミの生態とライフサイクル
ノミはペットに寄生して10分以内に吸血を行います。その後24~48時間で20~40個ほど卵を産みます。ノミの寿命は1~1.5か月あるため、駆除が遅れると恐ろしいほどの卵を産み落とすことになります。また、ノミの寄生が1匹だけということは通常考えられませんので・・・。
ノミの繁殖に必要な温度は13度以上あれば良いので、温暖な日本の環境と一年中温かいお部屋の中では一度持ち込んでしまうと冬場でもノミの被害にあう危険性があります。
動物病院でのノミ予防・駆除のお薬は?
ペットショップやホームセンターで購入できる市販薬と違い、動物用医薬品のフロントラインプラスやネクスガードは速やかな効果によりノミが産卵する前に駆除することができ、ペットの被害だけでなく人間の環境中にもノミを寄せ付けません。
フロントラインプラスはノミ成虫だけでなくノミの卵の孵化や幼虫の発育抑制作用もありダブルの効果でノミをブロックします。今年はワンちゃんにはノミ・ダニ予防とフィラリア予防がセットになったオールインワンタイプのネクスガード・スペクトラが大人気でした。
ノミってどうやって見つけるの?
ノミの見つけ方です。ノミ自体は一番上の画像のようにかなり小さい虫なのですが、1~2mmとなんとか肉眼で確認できる大きさです。ピョンピョン飛び跳ねているイメージがあると思いますが、実際には光を嫌って毛の間を逃げてしまいますので、はなかなか発見することが難しいかもしれません。
ノミの成虫を発見するよりずっと簡単な方法が、ノミの糞を見つける方法です。ペットの腰のあたりの毛をかき分けてみてください。黒い砂粒のようなものがついていないでしょうか。
水で湿らせたコットンやティッシュでつぶしてみて赤茶色ににじむようでしたら、血液を含んだノミの糞です。お外でついた砂の場合はつぶそうと思ってもつぶれませんので見分けがつきます。
ノミを見つけたらどうしたらいいの?
1.ペットのノミを駆除する(室内環境から除去するためには予防薬を数か月継続)。
まずシャンプーで体についたノミの卵を洗い流す。そしてノミ駆除・予防薬を使用する(フロントラインやネクスガードなど)。
2.市販のバルサン等のノミにも効果のある殺虫剤でお家全体を空間駆除。その後掃除機をしっかりかける。
ノミの卵とサナギには効果が弱いため、2週間後にもう一度行うのがベストです。
3.熱湯消毒が可能なペットの寝床やキャリーバック等は、バスダブで60℃以上のシャワーや熱湯で消毒。
ノミを駆除するだけで大丈夫?
ノミが媒介する瓜実条虫(うりざねじょうちゅう;通称サナダムシ)という寄生虫の感染も同時に発生するケースが多くみられます。ノミを駆除して安心していると数か月後にウンチに白い動く虫がついていたらそれが寄生虫の一部です。こちらはノミダニ駆除薬では退治できませんので、動物病院で虫下しを処方してもらってください。
なんだかとっても大変なことになってしまいますが、草むらに入らないようにしていても気が付いたらノミに寄生されているケースが夏から秋にかけて多発します。お散歩に出かける前に、今月のノミダニ予防を忘れていないかチェックしましょう。