あおぞら動物病院 院長コラム

猫専門の動物病院(ねこの病院)

      2015/11/27


猫の動物病院

 猫ブームというわけではないのですが、世の中の犬の飼育頭数が明らかに減少しているようなので、差別化のため猫だけを専門に診察している動物病院というのが増えているそうです。実は、私の同級生もそのような動物病院で勤務医として働いています。船橋市には今のところありませんね。

 (注意)最後まで書き終わって見直しましたらを含んだ成分の内容になってしまいました。お嫌いな方は読み飛ばしてください。m(。・ε・。)mスイマセ-ン

 ○○専門とするからには、当然高い技術と知識を持っていると思われがちですが、近年動物病院の開業ラッシュとペットブームの衰退によって動物病院同士の生き残り競争も見られるようになってきました(これは歯科医院の現状に似ていますね)。そのような状況ですので、少しでも他の動物病院との差別化ができないと新規参入する動物病院は生き残れなくなってきています。

 技術や知識(○○専門医認定)、あるいは人間の総合病院にあるような非常に高額な診断装置を初期投資から導入して開業するケースも差別化の武器として求められているようです。優しい先生、親切なスタッフなどはどこの病院でも当たり前の時代になっています。

 一般的な動物病院を開院する場合、ほとんどの獣医師が銀行から融資をうけます。開業には設備・人件費・地代・運転資金などを考えると、最低でも2,000万円あるいは平均3,000万円程度かかります。中には土地建物まで購入して総額1億円以上の借金スタート(涙)なんてケースもあるとか。よほど裕福な家庭で育っていない場合は多額の借金を背負っての開業になりますので非常にリスキーです。勉強しかしてこなかった(笑)社会知らずな獣医師が、経営学も分からずに社会に挑戦します。実際、同級生は2年で廃院させてしまいました・・・。

 猫専門の動物病院が増えることは、猫を飼われているオーナー様には非常にうれしいことだと思います。ワンワンと大声で吠えているワンちゃんと遭遇しないだけでも魅力ですよね。ワンちゃんのオーナー様には失礼な内容ですが、実際に犬が怖いという飼い主様や猫ちゃんは多いです。また、『猫専門なんてなんだか猫の扱いや、特別な技術や知識を持っていそうな感じもします。しかし、猫の専門医という資格は存在していません。

 『猫は小さな犬ではない』という、獣医師の中では有名な言葉があります。数十年前は、猫の診療は犬の治療法の延長線上にあり、猫にとっていろいろと不利益な治療しか受けられない時代もありました。犬の獣医療が高度化するにつれて、猫の医療(猫だけの習性や解剖・生理や病気)の理解も現在では犬と同等になっています。

全国に猫専門病院と宣言する病院は2015年現在まだ20件ほどしかありませんが、これからはどんどん増えていくでしょう。純粋に猫を愛する先生が開業していると考えられますが、乱立するようだと猫専門を謳ったトンデモ病院も増えていく可能性があります。

 獣医師が猫専門の動物病院を開業するメリットですが、

1.まず一般の犬猫病院との差別化により集客ができるというメリットがあります。○○専門という言葉に魅力を感じない方はいないと思います。若い院長(新規開業者)が多いのも特徴です。やっているのは普通の動物病院と同じなのに、専門を売りにして診療費が高くなっている場合もあります(トンデモ)。恐らく近いうちに某イ○ングループでもできると思います。いや間違いなくできます(笑)。

2.また、設備を猫の治療に限定することで、設備投資(初期コスト)を抑えることが可能です。体の小さな猫ですので待合室や診察室、入院室などの施設がそれほど広くある必要がないからです。当然、猫に非常に多い腎臓病治療のために、猫専門病院として人工透析器のような高価な装置を入れている病院があるというお話も聞きません。

3.大型犬の手術やレントゲン撮影などの人手が必要な処置がいらないため、女性や少人数のスタッフで運営が可能です。

 残念ながら公正に猫専門の認定をする機関がありません。今日から明日から私も猫専門医です。

猫専門医?

 そうはいっても、獣医業界全体が猫の分野に熱い視線を注いでいるのは確かです。それは猫ちゃんや猫のオーナーにとっても非常に良好な流れです。私も家族として数匹の猫達と暮らしていますので、一時のブームに終わらず、治療法の確立されていない猫の病気(FIPや腎臓病、猫白血病、猫エイズなど)の新たな治療法や研究が進むことに期待しております。ささやかながら猫の診療にかかわるものとして猫医療向上のお手伝いができたらと思います。『船橋ねこ病院』とか『あおぞら猫の病院』とかそんな名前の動物病院ができたらいいかなぁと秘かに企んでいたりして。


 - 雑感