千葉県 FIP 動物病院【FIPの治療実績多数】

葉県あおぞら動物病院では猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)の治療に力を入れております。

※2022年2月16日 MUTIANについてのブログを更新しました。
MUTIAN(ムティアン)によるFIP治療~250例の治療経験~千葉県

MUTIANとFIP治療

MUTIAN(ムティアン)って何?

FIP治療薬として中国の木天生物科技有限公司(Mutian Global Biotechnology Limited)が製造しているXraphconn(ラプコン)ですが、代表的な製品なのでMUTIAN(木天:ムティアン)と呼ばれています。2023年現在、注射タイプのXraphconnⅡと錠剤のXraphconn Tabletがあります。

FIP(猫伝染性腹膜炎)ってどんな病気?

猫伝染性腹膜炎(FIP)とは

FIPの腹水

FIPは猫に持続的に感染している猫腸コロナウイルス(FCoV)が突然変異を起こして、強毒性のFIPウイルスになるという説が有力です。

お腹や胸に液体が貯まる(腹水や胸水)ウェットタイプやリンパ節・腎臓・脳・眼などに肉芽腫(にくげしゅ:慢性的な炎症に基づいて生じる腫瘤)を作るドライタイプなど多彩な症状を示し、ついには死に至る病気です。最近まで治療法がない猫の不治の病として恐れられていました。

2歳未満の若齢猫や8歳からのシニア猫に発生することが多く、ウェットタイプは非常に進行が早いため発見から10日ほどで急死してしまうケースもみられます。

FIPの症状

ウェットタイプ・・・腹水・胸水の貯留、持続性の発熱、食欲不振、貧血、黄疸
ドライタイプ・・・持続性の発熱(39~40℃以上)、貧血、内臓の肉芽腫性炎による多彩な症状(慢性的な下痢などの消化器症状、眼のブドウ膜炎、てんかん発作、腎不全、肝不全)
混合タイプ・・・腹水・胸水などあり一見ウェットタイプの様だが、ドライタイプの特徴もある病態。

FIPの診断法は?

最近ではヒトの新型コロナでご存知のPCR検査(遺伝子検査)の精度が高くなったため、α1AGなどの炎症マーカーや特徴的な臨床症状(腹水・胸水、持続性の発熱、黄疸など)を合わせることで以前より早期に精度の高いFIP診断が可能になりました。 

FIPに有効な治療法はあるのか?

 従来はステロイド剤やインターフェロンを中心にした症状緩和を期待する対処療法が中心でしたが効果については獣医師の間でも懐疑的でした。しかし、2019年カルフォルニア大学が論文発表した製剤(GS-441524)が最近のFIP治療で一番ホットな話題となっています。死亡率100%といわれるFIPに対して、なんと80%以上の長期生存を達成しました。

日本の動物病院で治療できるの?

 非常に残念なことにGS-441524を使った治療薬は製品化されていないため、製薬会社から購入することができません。また、今後製品化するかどうかもわかりません。

 では、私たちは不治の病であり、しかも発症から数日~2か月程度で亡くなってしまうFIPに対して指をくわえて見ていることしかできないのでしょうか。

 実は、中国のMUTIAN(ムティアン)社が動物用医薬品会社がXraphconn(ラプコン)という製品を販売しています。国内ではお薬ではなくサプリメントとしての扱いですが、すでの世界中で数千の治験例があり高い有効性が報告されています。

 あおぞら動物病院ではこのMUTIAN Xraphconnを治療薬として千葉県茨城県東京都東部の患者様を中心に年間100例ほど治療を行っています。

必ず事前に電話連絡をお願いいたします。

MUTIANの問題点

 一般に処方される動物用のお薬と比べて非常に高額な為、概算で体重1kgにつき一日3,000~6,000円ほどの費用が治療期間分(通常84日間)必要になります。治療総額が100~200万円以上になることもあります。

 仕方のないことですが、未承認薬であるが故の安全性や法律的な不安から、MUTIANやその治療を行っている猫オーナー様に対しても拒絶反応(診療拒否)を示す獣医師も少なくありません。

 千葉県中央家畜保健所に問い合わせたところ、動物病院での治療のための処方問題ないとの回答を頂いております。

MUTIANの副作用

現在のところ国内で2,000例以上の治験例がありますが、1割程度に一過性の肝酵素の上昇がみられます。また、下痢の症状も報告されています。錠剤のXraphconnになってから、猫ちゃんの耳が垂れてしまうケースや、痒みを伴わない顔周りを中心とした脱毛症も報告されており、因果関係を調査中です。注射タイプのものでは、注射部位の皮膚潰瘍の発生が報告されています。

FIP治療の未来

 世界中で新型コロナウイルスの研究が急速に進んでいる恩恵で、獣医大学でもFIPの治療研究が加速しています。

 ヒトの新型コロナの治療薬(レムデシビル:Remdesivir)がオーストラリアと英国では合法的なお薬としてFIPの猫ちゃんの治療で使われ始めています。ある報告では400例以上のケースで有効率85~90%とも報告されています。

 飲み薬での新型コロナ治療薬もFIPに有効だという報告があります。2021年末にヒトで国内使用が開始されたモルヌピラビル(Molnupiravir)もその一つです。

 私達が新型コロナの不安から解放された未来には、きっと猫ちゃんたちの不治の病であるFIPが過去の病気になっているのではないでしょうか。その日が一日でも早く訪れることを願ってやみません。

FIPとMUTIAN
このサイトをフォローする
院長コラム|あおぞら動物病院|船橋市の動物病院