当院では用途に応じて2種類のエコー台を使い分けています。専用の検査室があれば良いのですが、動物病院のスペースはそれほど広くないことと診療室でそのままエコー検査を行うことが多いので、小型のエコー検査台が活躍しています。
当院で使用中のエコー検査台2種を紹介
心臓エコー検査用検査台
犬や猫の心臓病での検査にはレントゲンや心電図などがありますが、最も重要な検査の一つに心エコー検査があります。人間の心臓の大きさは握りこぶし大といわれていますが、犬の心臓は鶏の卵より小さいので、検査は非常に大変だったりします。検査機器(超音波診断装置)の性能ももちろんですが、検査の際に動物さんに寝てもらう検査台も専用のものが必要になります。
一番メジャーなものが下の画像にあるコタツ台の一部をくり抜いたような形をした台です。動物を横に寝かせて、くり抜いた部分の下側からエコーのプローブ(探査子)を胸に当てるように使います。コタツのように足を 折り曲げることができて収納に便利です。
実際に、ローテーブルの脚の部分を利用して、板をくりぬいて自作された先生もいらっしゃるのではないでしょうか。購入すると結構高価なので私も開業当初自作したのですが、あまりに不格好なのと心エコーが上手になりたくて少し奮発して特殊なものを購入しました。
秋田県のむらおか企画という獣医師の先生が開発したエコー台です。
非常に使いやすい独創的なエコー台です。足がフレーム式になっているので大型犬でも安定性抜群です。中央の三角形のクッションが取り外しが可能で、腹部エコーにも心エコーにも利用できます。
三角形の形をしているので、U字型のものに比べ小さな動物でも安定して検査が可能です。
残念ながら現在はむらおか企画さんはこのエコー台を作っていないとのことです。2018年の情報では有限会社メカテックスさんが引き続き作成しているようです。製造の続いているうちにお問合せされてはどうでしょうか。
腹部エコー検査用クッション
北海道帯広市の布団屋さん『ニーズまつだ』さんとの共同開発で生まれたユニークなクッション式エコー検査台です。合皮素材でできているので、検査中にオシッコをされてしまってもすぐにふき取ることができます。布団屋さんが作っているだけあってクッション性抜群です。検査中に気持ちよく寝てしまうワンちゃんもいます。
サイズはMサイズ(約50×75cm)とLサイズ(約60×100cm)があります。どちらを購入するか非常に迷いましたが小型犬の患者さんばかりの当院はMサイズを選びました。
耐久性ですが、やはり長年消毒液や動物の爪でかなり表面がボロボロになって今いました。
この状態では消毒液どころかオシッコも浸み込んでしまい使えません。諦めて再購入しようと思ったのですが、良く見るとサイドに小さなファスナーがついていることに気づきました(なぜ気づかなかった・・・)。
ダメもとで製造元のニーズまつださんに連絡してみると、替えのカバーだけ購入可能だということです。本体が15,000円なのでカバーだけ税込み8,100円で新品のように復活しました。
通販サイトではカバーのみの購入が見つかりませんので、同じ製品を使用している先生はカバーのみ交換してみてはいかがでしょうか。カバーを交換してみて、もとはこんなに艶があったのかと感動しました。