富士ドライケム7000VとNX500V、3500V比較まとめ

動物病院での生化学検査

2015年10月に投稿した記事ですが、古くなったので2018年11月に追加で修正しました。

 動物病院で毎日フル稼働の血液生化学分析装置です。血液生化学検査とはとは肝機能(ALTやALPなど)や血糖値や腎機能(BUNやCRE)などの内臓機能の評価に欠かせない検査です。

富士ドライケムってどんな機械?

 富士ドライケムは、血液から 様々な体の異常を検出する診断装置(臨床生化学分析装置)の一種です。人間ドックで受ける血液検査(ALTやガンマGTP、血糖値、コレステロールなど)を少量の血液から調べることができます。また、近年炎症の数値やホルモンの数値も測定できる機器が発売されていきました。非常に小型化されたので、専門の検査機関でなくても小規模なクリニックでその場で血液検査を実施できることは病院側にも患者側にも非常にメリットがあります。

他社の製品で同じような目的で使われているものにアイデックス(IDEEX)社のカタリストDxやアークレイ社のスポットケムなどがあります。

ドライケミストリー方式という方式を採用していて、特別な液体の試薬等を必要とせず少量の血液を機械の診断用スライドに添着して、数分後には体内の異常値を検出することが可能です。

10年前(2006年頃)の富士フィルムの動物病院向け検査装置は、単検体測定用の3500シリーズと、同時に5検体測定することができる7000シリーズがありましたが、開業当初の当院では価格面でも7000はあり得ませんでした。代診先の動物病院は7000Vでしたので、いつかは購入したいとの思いを持っています。

どうして富士ドライケムを採用したのか

 他社の製品ではアイデックス社のカタリストDxとアークレイ社のスポットケムなどがありますが、私の研修先が2件とも富士ドライケムだったため、操作方法を考えた時に他の製品を検討する余地がありませんでした。

実際、他社のものより故障が少ないと他の獣医師の先生方からもお伺いしています。かなり普及している製品のはずですので故障の話を聞かないというのは素晴らしいことだと思います。前モデルのドライケム3000を20年使っているという先生もいるようです。

当院でも、10年間で、故障らしい故障は経験しませんでした。メンテナンスとしても、光量不足のエラーが出て、自分でランプを交換したくらいです。10年間で2回ありました。

 今後、故障した際に新しモデルに変更しようと考えているのですが、5検体同時検査が可能な7000Vか、単検体のNX500Vかで迷っています。また、時々、時間によっては3検体を順番待ちになることもあるのですが、そのようなことは週に1度あるかどうかという頻度です。ましてや5検体同時に測定する必要性は無さそうです。

結局2016年1月に7000vに買い替えることになったのですが、結局10年間たっても3500vが壊れることなく現役で使用していました。保守契約には入らなくても大丈夫かもしれません。とにかく丈夫です。

機種による実際の検査処理時間の比較

 NX500に関しては、当院の3500Vと比較するとかなり処理速度が向上しているということです。

動物病院でのドライケム

 どのくらい速度アップしているという比較データ一覧がなかったので、メーカーウェブサイトの情報をつなぎ合わせて独自に比較してみました。

【比色・電解質混合】

ドライケム7000190テスト/時2003年1月発売
ドライケムNX500128テスト/時2012年11月発売
ドライケム400077テスト/時2007年11月発表
ドライケム350067テスト/時(※1)1999年2月発売
ドライケム3000情報なし1993年発売

※1 詳細な情報がなかったため、企業サイトの情報により計算。→「従来機(3500)に比べて約15%の測定時間短縮を実現しました。」

 単検体での測定の場合、現在の3500Vの半分程度の時間で検査ができるのは非常に魅力です。ドライケム7000Vのは5検体同時測定が始まるので、単純に5倍の速さではありませんが、表記通り190テスト/時なので3500Vの約1/3の時間で測定できることになりかなり魅力的です。

ドライケム3500vで15分かかる検査(10項目+電解質)が5分で完了するとのことです。これは魅力ですね。

ドライケム7000V の価格は?

 あとは価格面になるでしょうか。現在見積もり中です。今すぐ購入する予定ではないのですが、検査時間が半分になるというのは非常に魅力です。ネット情報によると、在庫処分予定の4000VはNX500Vより90万円ほど安く購入できるということです。開業予定の先生はチャンスですね。

※2016年1月にドライケム7000Vを分割払いで購入しました。金利無料キャンペーンとのことに惹かれてしまいましたが、たまたま故障がちだったフクダの麻酔モニターと同時購入でドライケム7000vは200万円弱で購入しました。だいぶ頑張ってもらったようです。

ときどき、5年、7年の無金利ローンをキャンペーンとして行っているようです。今季はフジフィルムメディカル創立50周年記念イベントだそうです。また、同時購入で『IMMUNO AU10V』がかなり安く手に入るようです。定価の1/3くらいの見積もりでした。

ドライケムの型番の末尾のアルファベットの意味について

ドライケムの型番末尾の「i,p,v,s」などについて (独自調査なので違うかもw)

記号電解質測定機能プラズマフィルターPF※1備考
記号なしフル機能
i×
p×3500シリーズのみ?
s××
v× 農水省の認可

(動物病院用)

※1 PF機能・・・採血管の全血から血漿を分離する機能のようです。

名機ドライケム3500Vについて

ドライケム3500 動物病院

恐らくどの動物病院の先生も一度は触ったことがあるのではないかという名機です。開業時に購入した機械の中で一番の出費になりました。確か180万円くらいの装置だったと思います。

最近はリパーゼ(LIPA)や犬の炎症性淡白(CRP)が測定できるようになったりとどんどん使えるやつになってきています。9年間の間、消耗品のランプを2回交換したくらいでほとんど故障なしです。

現在では4000VやNX500が同等機能の機種です。4000Vは安全のために、カバーを閉めないと動作をしないらしく、手動で検体を点着できないようです。裏技があるのかもしれませんが。

2016年に最新機種のドライケム7000Vに交代してあおぞら動物病院から若手の先生のいる病院に譲られていきました。ありがとうございました。

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