動物の出血が正常に止まるかどうかを確認するための検査装置です。特に凝固系の因子の異常を発見するのに優れた検査設備です。
遺伝的に血液が固まりにくい病気を持っていたり、別の病気の影響で出血が止まりにくくなってしまう状態が発生することがあります。
これが手術中に起こってしまうと、手術は無事成功したのにダラダラとした細かい出血が止まらないとか、手術翌日にありえない貧血を起こしたりと恐ろしい事態が発生することに繋がります。
手術前に確認することですべて安全とは限りませんが、確認しておくことで安心を得ることができるのは間違いありません。
一見健康そうに見える動物の出血を伴う手術(動物病院では日常に行われている去勢や避妊、あるいは抜歯を伴うような歯石除去)などは動物病院では高頻度に行われております。
手術の安全性を確認する術前の検査をどこまで行うかということに関してですが、獣医師側としては安全のために、血液検査・レントゲン検査・心電図検査と全て行いたいのですが、実際に人間並みに行うと手術の費用以上の出費になってしまいます。
安全に行うのは当たり前なのですが、診療費を安く済ませることが良心的な動物病院の条件であれば、その反面ある程度何かを犠牲にすることになると思います。
うまい・安い・早いが必ずしも良い動物病院の判断基準ではないと私は考えています。あっ、うまいはいいですね。
追伸:2015年11月現在の情報です。
ブログで紹介のCOAG2Vは製造が終わってしまったようです。後発品で「COAG2NV」になったようです。希望納入価格は前製品と同じ105万円(税抜き)のようです。
また、アイデックスからも2013年に血液凝固分析装置の『IDEXX コアグDx』という設備も発売されています。こちらは希望納入価格150万円とのこと。見積もりとるならこちらも候補に挙がりますね。