医師のシンボルともいえる聴診器ですが、動物の診療にあたる獣医師もマイ聴診器を持っています。
動物病院に研修に入って、学生時代に購入させられた聴診器で大丈夫かと不安になる若手の先生もいらっしゃるのではないでしょうか?
心臓や肺の音を聞くために、獣医師も人間のドクター同様に聴診器を使います。人間のお医者さんでも獣医さんでもリットマンというブランドの聴診器が人気です。当院でも、すべてリットマンの聴診器を使用しています。
聴診器の主要なブランドは?
リットマンの聴診器が世界シェア80%以上だということです。その他でもウェルチアレンや『ステレオフォネットシリーズ』で有名な日本のケンツメディコなどがあります。リットマン以外の聴診器をぶら下げている先生がいると思わず声をかけてしまいます。
聴診器のサイズはどのようなものがあるの?
人間用のものは、チェストピース(胸に当てる部分の丸い部分)のサイズで成人用(47~52㎜)、小児用(37㎜)、新生児用(30㎜)のサイズ分けがあります。動物の場合はどうでしょう。成人用?はたまた、体が小さいから新生児用?チワワとセントバーナードは一緒でいいの?と悩んでしまします。
悩んだ挙句に、コレクションのように5本も6本も持っているのですが、結構大は小を兼ねてしまったりしています。
循環器の有名どころの先生は、心音の方向性がわかりやすいので大きい方が良いといったり、別の先生は、小児用が大きさ的に丁度いいとか言われるままに流されてしまています。新生児用はハムスターなどの小動物用に購入しましたが、ハムスターの聴診・・・できてるのか不明です。挙句の果てに、デジタル式の電子聴診器を購入したりと技術より道具に頼ってしまう悪い傾向です。
若い先生には道具より、沢山の聴診を行って耳を鍛えていただきたいと思います。
気になる聴診器があったので、画像を貼っておきます。当院の院長がこの黄色い聴診器を下げていたら、叱っていただいて結構です(笑)。
リットマンの電子聴診器ってどう?
私が購入したのは旧モデルのModel4100です。当初、心音の録音機能を利用して飼い主様に心臓病の動物の心音を聞いてもらおうと思っていたのですが、さすがに自分の耳に使った聴診器を飼い主様に使ってもらうわけにもいかず、ただ単に音のボリュームを増幅させる重量的にヘビーな聴診器になってしまいました。
通常の高級なリットマン聴診器の倍くらいの価格だったのを覚えています。宝の持ち腐れです。
重量が230g(同サイズの通常のもので170g程度)だと、普段首にかけて携帯するには少し厳しいです。
現行品は録音機能なしのmodel3100と録音機能を備えたmodel3200があるようですが、どちらも重量が185gとかなり普通の聴診器に近い重さになったので、現在の聴診器が完全に故障したらmodel3100を購入しようと思います。
聴診器は修理できるの?
聴診器は金属部品とプラスチック、ゴムの部品で構成されているので、使用頻度や使用年数によって消耗品が壊れることがあります。購入時のセットには予備のイヤーチップが1セット付属していますが、今回私の聴診器が13年目にしてリムのゴムがボロボロに崩れてしまいましたので交換部品を探してみました。
リットマンの聴診器は、聴診器の中でも8割以上のシェアを持っているそうなのでさすがにすべての部品が通販で手に入れることができました。
ちなみに、交換部品で1本の聴診器を作った場合どのくらいのコストがかかるのか計算してみました。完全な遊びです。
部品価格は聴診器のパネシアンというネットショップから購入した場合を考えました。
(例)リットマン Classic II S.E. 送料・税込み 9,400円
チェストピース 8,100円
バイノーラル 8,242円
合計 16,342円(+6,942円)
まあ、そんなもんですよね。
聴きなれたお気に入りの聴診器を一生使えるのはありがたいことだと思います。ぜひ交換部品の供給を続けて欲しいと思います。